UNIVERSAL GENEVE / Cal.1-42 04.Aug.2023
症状
前回OHご不明。数十分遅れるとのこと。測定したところ振り角が230°を下回っておりました。また分針の根元(筒カナと呼ばれるパーツに取り付けられています)が激しく損傷しておりました。
修理内容
▼OH
▼分針交換(加工)
▼時針交換(加工)
▼ペイント
▼サビ除去
▼ポリッシュ&ヘアライン
時計師コメント
分針が数十分遅れる症状として、特に多いのが「置き回り」と呼ばれる現象です。1時間に1回転する歯車のホゾに、キャップを被せるように取り付けられている“筒カナ”というパーツがございます。このパーツと歯車のホゾとの食い付きが弱くなると、ズルズルと分針が遅れてしまいます。もう1つの原因がございまして、そちらが今回の分針根本と筒カナの“緩み”です。通常、純正パーツと交換になりますがヴィンテージ時計の場合は材料店やメーカーにも在庫がございません。当店の同年代ドナー針からサイズを合わせ削り、ペイントして作製致しました。(※ダイヤルと針は外装扱いになりますので、現行モデルの場合はメーカー修理をお勧めしております。)ヴィンテージテイストを損なわない範囲でポリッシュし、ムーブメントの精度も良好でございます。