症状

前回のOHご不明。ムーブメントの油は揮発、また残渣が固着しておりました。ケースとムーブメントは強く磁気帯しておりました。その他大きな不具合箇所はございませんでしたので、OHにて改善されるかと存じます。

修理内容

▼OH

▼各輪列ホゾ＆カナ磨き

▼ヒゲゼンマイ内修正

▼風防ポリッシュ

▼ケース・ヘアライン加工

時計師コメント

磁気帯していたムーブメントとケースは脱磁機で除去致しました。しかし、強い磁気により精度の要となるヒゲゼンマイが変形しておりました。レディースのヒゲゼンマイは非常に細く、加えてビンテージ素材の性質上、変形しやすいこともございます。ヒゲゼンマイが変形すると“振り角”や“姿勢差”に悪い影響をもたらします。今回は内端が大きく崩れておりましたので修正致しました。強力な磁気を発生させる身近なモノには「バッグの留め具（ネオジム）」「スマートフォン＆タブレット」「エレベーターの壁」などがございます。ただし、いずれの場合も約５センチ程度離れていれば影響は受けることはございません。１度変形してしまった物質は以前と全く同じ形に復帰させることが出来ません。ご留意くださいますようお願い致します。