OMEGA DeVille Co-axial Cal.2500b May.10.2025

症状
・過度な進み
修理内容
▼OH
▼ゼンマイ交換
▼自動巻機構ネジ
▼爪石調整
時計師コメント
他店にて修理後も極端な進みの症状が残り、再修理も不可とのことでお持ち込み頂きました。ケース、ムーブメント、耐磁カバーはそれぞれ強く磁気帯びしておりました。ケースとムーブは脱磁可能でしたが、浸磁性が高い軟鉄製耐磁カバーは脱磁後も数十マイクロ・テスラの残存がございました。耐磁カバーとしての役割をなしておりませんので外させていただいております。巻き真がメインプレートに突き刺さった痕跡もございましたので、外部から大きな衝撃が加わっております。Cal.2500のタイプA、またはタイプBは衝撃や磁気に影響されやすい傾向がございます。今回の“過度な進み”には「爪石の調整」にて修復しております。基本、コーアクシャル脱進機は爪石調整されることなく、メーカーにおいてもパーツ交換となります。よってテンプにあるマイクロステラナットが最大限まで引き出されており、遅れに調整しようとした痕跡がございました。全て修復し現在は振り角、精度ともに良好でございます。
