症状

振り角が極端に低く、クロノスタート＆ストップとリセットボタンが固着しております。二階建クロノ・ムーブメントなので不具合箇所も目星が付いておりますが、旧式のDubois Deprazのドナー・パーツ問題もございます。OHと併せて今後不具合が予見されるパーツもシッカリと確認させて頂きます。

修理内容

▼OH

▼ゼンマイ交換

時計師コメント

機械内部は殆どの油が揮発しており、残渣による汚れが多くございました。ゼンマイのトルク（力）が弱く、それが振り角の低下に繋がっておりましたので新しいゼンマイに交換しております。クロノグラフが可動しない原因は２つございました。お時計は“時計機構”の上に“クロノグラフ機構”が乗っかっている「二階建て」と呼ばれるユニット式ムーブメントでございます。時計の動力を別建てのクロノグラフに伝えている“連結車”の油が揮発。各プッシュボタンへのグリスが塗布されておりませんでした。正しいオーバーホールにて全て改善しております。同年代のドナーパーツはご用意が難しくなっておりす。末長くお時計をご使用頂く為にも、定期的なオーバーホールをお勧め致します。